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北海道連合会 : 新年のご挨拶(北海道連合会会長 小坂直人)
投稿者 : asazuma 投稿日時: 2024-01-04 13:29:05 (95 ヒット)

2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」による被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方やそのご家族に、心よりお悔やみ申し上げます。

小坂会長の「新年のご挨拶」を掲載します。
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2020年のコロナ騒動以来,新年をお祝いする言葉の発信をためらう年が続いています。2022年2月24日のロシア軍のウクライナ侵攻はこの状況に追い打ちをかけるものでしたが、さらに、2023年10月以降はイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ侵攻が本格化し、事態はジェノサイドの様相を呈するものになっています。直接の戦闘員の犠牲が軽視されるべきではありませんが、この戦争の最大の犠牲者が子どもや女性であり、老人であるのは、明らかです。2万人をこえるとみられるガザ地区での犠牲者のうち、8千人が子どもたちであり、6千人が女性であると推定されています。難民キャンプ・学校・病院など、絶対に標的にされてはならない場所さえも砲撃されるのは信じがたい事態です。直ちに停戦と和平交渉に入ることが人の道であることは疑いありません。

日本ユーラシア協会は、ロシア、ウクライナを含むユーラシア諸国の人々との平和・友好交流を民間の立場で促進することを目的として活動してきました。世界各地で今なお続いている武力衝突とその結果生まれている多数の難民など、平和に生きる権利を奪われている人々の大量現象という現状を直視するならば、当協会が掲げる「平和な世界を目指す友好交流」の構築という課題の重要性がいよいよ高まっているといえます。

ロシア軍のウクライナ侵攻に際して、当協会が、大使館等を通じて抗議の声をロシア政府に届けたのは当然の行動ですし、ウクライナ国民の受け入れなどで積極的な役割を果たしてきたのも、当協会の本来的責務というべきものです。しかし、同時に私たちは、ロシア軍の行動を非難することが、すべてのロシア国民やロシア文化を否定するものでないことを知っていますし、ウクライナ人道支援をロシアへの排外主義的対応と結びつけることには反対です。イスラエル軍のガザ侵略についても、イスラエル政府と軍を批判することとイスラエル国民への対応は区別しなければなりません。

この「戦争と平和」の議論にダブルスタンダードが持ち込まれていることは残念なことです。たとえば、パレスチナ、シリア、アフガニスタンなど中東の紛争地域で生まれている難民の救済等に対しても、ウクライナと同じように市民が声をあげてきたかという問題です。清末愛砂氏が厳しく指摘しているとろであり、日本の場合、特にこの問題は深く問われるべきです。ウクライナとガザについて正反対の態度を取っても矛盾を感じないのは、そこにある判断基準が、アメリカがどちらを応援しているかという点にあるからです。ガザのパレスチナ人虐殺反対の一点で停戦を訴える国際世論の高まりを真摯に受け止めるべきでしょう。

「防衛」であれ、「侵略」であれ、戦争をはじめる側は、相手に介入を招く原因があることを「口実」にしますが、実際には、「口実」自体の真実性確認が必要になることに唖然とさせられことがあります。「大量破壊兵器保有」という「嘘」が「口実」となったイラク戦争は、近年の戦争がどのようにはじまるかを教えてくれる好例といえます。また、はじまってしまった戦争を俯瞰的・客観的にみるとき、戦争から経済的利益を直接間接に得る者たちが存在する事実に驚愕します。ガザ侵攻問題の本質は、16年にわたるイスラエルによるガザ封鎖支配にあり、より長期的にみれば、1948年のイスラエル建国にまで行きつきます。米国サイドのメディア情報と、ほぼそれだけに依存するわが国メディア報道の状況下では、戦争の背後の「真実」を掴むことは至難といえますが、マスメディア以外の各国情報などにもあたりながら、できるだけ客観的な事実に基づく、冷静な判断に努める必要があります。

ウクライナとガザにおける紛争の本質を見極めるには、眼前で起きていることの歴史的背景を正確に知ることが必要です。ウクライナの場合、少なくとも、ソ連邦崩壊以後のNATOとロシアとの地政学的関係をみておかなければなりません。と同時に、世界が今、どのような方向に動いているのか、その大局も知る必要があります。現時点でアメリカは、ロシア・中国の「権威主義」勢力に対抗し、G7など、「民主主義」勢力の結束によって世界支配を実現できるとみているようです。しかし、この結束には、インドやアセアン諸国、そしてアフリカ、イスラム諸国、中南米諸国など非西欧諸国(いわゆる第三世界あるいはグローバルサウス)の多くが与していません。特定の国や地域を除外した「民主主義」とはなにかが問われているようです。このように、今世紀の世界は、既に、成長ファクターであるアジア・アフリカ・中南米を含む「多極化」という新しいパラダイムに向かっています。にもかかわらず、世界がいまだに「米国・西欧」を中心に動いており、この一員であることが最大の価値であるという発想から抜け出せていないのがわが国の実情です。

日本とロシアの国家間レベルでは、平和条約締結という課題が依然として解決しておらず、交渉が継続されてきましたが、ウクライナ紛争を機に日本政府が米国のいいなりにロシアに対する経済制裁等に追随したため、ロシアとの交渉ルートがほぼ遮断される結果となっています。この袋小路から脱却する道も、結局は、米欧中心主義からの離脱と軌を一にしていると思います。なぜなら、G7の一員として、米欧のための世界秩序を守ろうとする立場と行動が日本とロシアの和平構築の障害となっているのですから、これを克服することなくして道は開けません。ウクライナとパレスチナの紛争は、歴史的に積み上げてきた膨大な市民犠牲を通じて、世界がパラダイム転換の時代に入っていることを教えているのです。

今、重要なことは、現代の多極化した世界において、平和な友好関係を樹立するにあたって、わが国が占める位置をどこに定めるかです。その際、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と辺境を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う。我らは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という憲法前文の精神と「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という9条の目指すものがなにかを再認識すべきと思います。いずれにしても、軍事的敵対行動ではなく、平和的外交こそが世界各国の共存の道であることを共通認識とすべきですし、当協会の行動原理もここにあります。この原理に従い、私たちも、新たなパラダイム構築をめざす行動の一翼を担うことを念じてやみません。


日本ユーラシア協会北海道連合会
会長 小坂 直人


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