
北海道連合会 : 新年のご挨拶(北海道連合会会長 小坂直人)
投稿日時 2026-01-02 14:38:39 | カテゴリ: 北海道連合会
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新年のごあいさつ
日本ユーラシア協会北海道連合会 会長 小坂 直人
2026年を迎えるにあたり、ごあいさつを申し上げます。
昨年1月は、トランプ大統領就任のニュースで始まり、アメリカだけではなく、世界各国がその対応で右往左往している様子が伝えられました。その余韻は、1年経った今でも続いています。アメリカ国内の「トランプ=反トランプ」という政治的対立は政権発足後も依然として厳しく、統一した合衆国の指針を模索する過程にあることを示しているようにみえます。トランプ大統領の掲げる「アメリカ第一主義」の意味は、大戦後、とりわけ、冷戦終了後のアメリカ一極支配の構造が崩れる中で、再度、アメリカの覇権を構築するための国民向けスローガンであるとともに、多極化世界という現実を前にして、アメリカによる世界支配の構造を再編する世界戦略でもあります。ヨーロッパ・ウクライナ、中東、そして、ベネズエラ等で起きている対立・抗争は、こうした、アメリカの世界戦略の関わりでみる必要があるようです。
本協会にとっては、ウクライナ問題をめぐって、トランプ・プーチン両大統領による会談が25年中に相次いで行われてきたことが最大の関心事であったといえます。米国内の反トランプ派やヨーロッパNATO諸国の抵抗、そして、流動化が激しいウクライナ国内の政治・社会情勢によって、米露の「関係改善交渉」は一進一退の様相を呈しています。それでも、戦場、外交いずれの場でも、着地点が次第にみえてきたように思われます。もちろん、着地の仕方をめぐっては、なお厳しい事態が続くでしょうし、予断を許すものではありません。
ウクライナ情勢のこうした展開の背景には、米露関係だけではなく、西欧諸国における既成政党の低迷とその批判派の台頭、そして、それを支え、揺り動かしている「反戦平和」と「国民本位の生活」を求める幅広い国民の支持行動があるといえます。さらには、英仏など、かつての宗主国に対して、自立した異議申し立てを強めているグローバルサウス諸国の動向が大きな影響を与えているようです。このような、激動する世界情勢の下で、日本という国家と国民はいかなる立場で、何を目指して諸国民との関係構築を進めるべきなのでしょうか。25年10月に就任した高市首相は、対米従属を継続し、あろうことか、「台湾有事」発言によって、対中関係を緊張に導き、軍事力強化への道に国民を巻き込む政策を声高に叫ぶ有様です。しかし、今、日本が目指すべきことは、このように、「仮想敵国」を無理やり「現実化」することに力を入れるのではなく、むしろ、新しい多極化世界において、互恵主義に基づく平等関係と世界平和の実現に寄与する自立日本を構築することだと思います。米国との関係も、追従すべき「宗主国」としてではなく、新しい日本にとっては、重要ではあるが、数ある交流国の一つになると考えるべきなのでしょう。
協会活動も、多極化世界における「ユーラシア」と日本という軸点を見据えたものに再構築する必要がありますが、改革の兆しはまだみえないようです。とはいえ、いかなる情勢の下でも、協会として譲れないものがあります。すなわち、平和と友好を希求する諸国民の願いは普遍的であることに確信を持ち、この願いを実現すべく、地道に日常活動を続けていくことです。これは協会活動の原点であり、昨年11月開催のネルセシアン・コンサートを成功させたエネルギーと精神の発揮のうちに、その一端をみた思いです。
本年も、みなさまとともに一歩一歩、着実に歩んでいきたいと思います。
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